第7話「何が起きた!?…」

「さて、今日はなにしよっか?」
晴れやかな放課後、真美と一緒に下校途中。
「駅前のデパートで買い物でもしよっか?それとも映画でも見に行く?あ、お茶でもいいよ」
「……えーと、じゃ、じゃあデパートで」
私のハイテンションに少し呆然となったけど、真美はそう答えた。
「よし、じゃあ早速行こう。早く行かないと夜になって閉まっちゃうからね」
うきうきで私は言う。
こんなにいい天気なんだ、どっか行かなきゃ損だもんね。
「え?え?あっ、待ってよ。香奈ー」
真美は私と誰もいない方を見て戸惑いつつも私の後についてくる。
「いや、待て待て待て。前回の終わりとまるで話が違うじゃないか!さも何事もなかったかのように話を進めるな!!」
私の後ろで何かがギャーギャー聞こえるような気がするけど、それはきっと空耳だろう。
真美はというとちらちらと後ろを振り向いているが。
「ねぇ、香奈。あんな事言ってるけどいいの?」
心配性な真美は気になっているようだ。でも存在しないやつを相手にどうしろというのだ。
「何が?さっきから聞こえるのって空耳でしょ?ほら、後ろを向いたって誰もいない」
真美は呆れ顔で言う。
「香奈……そりゃ、いないのは当たり前だよ。目を瞑ってたら」
あっ、ばれた?
「…じゃあ真美は一体私にどうして欲しいのよ?私にはあんな変態相手にしてるだけ時間がもったいない気がするんだけど」
「え!?……えーとぉ」
まるで考えてなかったらしく、必死になって考えている。
で、こっちはこっちで。
「この俺をこんな風にしたことを後悔させてやるからな、小娘共が!」
などとほざいている。
はぁ本当、一体私にどうしろって言うのよ……
「ねぇねぇ、香奈。話し合いってどうかな?」
「話し合い?そんなことするの面倒なんだけど」
真剣に考えた結果がこれか。まぁ、真美が真剣に考えてくれたんだからするしかないか。
私は覚悟を決めて変態に話しかけることにした。
「あんたの目的はなんなわけ?何で私を探してたの?」
変態は微笑を浮かべ、
「ふん。質問なぞ受け付けん!貴様らは俺様の言うことさえ聞けばいいのだ!この俺シャ…」
ドゴッ
「あっ、しまった。つい……やっちゃった☆」
「やっちゃった☆じゃないよ、香奈。どうしてすぐ香奈は手が出るかな」
変態は今度こそ動かなくなった。まぁ、ピクピクとは動いてるからやってはないけど。
「いやぁ、私変態は嫌いだけど、高圧的な態度取るやつも嫌いなんだよね」
とりあえず、理由を言ってみた。
「そういう性格なのは分かるけど、少しは直さないと駄目だよ」
真美がまじめな顔で言う。
「う〜ん、頑張ろうとは思うよ?でも体が勝手に…ね?」
私は笑って言い訳した。
「香奈ったら全く」
全然効果がなかった!
「全くもう。…まぁ、今はそんなことよりデパート行こっ」
満面な笑顔でそんな事言うもんだから言いづらいじゃない。
「真美、デパートのくだり冗談なんだよ」



あとがき

はい、いかがだったでしょうか第7話!どうもピヨーリです。
いつもより少しばかり多くなってしまいました、今回の話。
切り所がなかったって言うのが本音なんですが(笑)
まずは今回の話の後日談を。

第7話番外編「真美の目は…」

真美の目は一瞬に冷たい目になってしまった。
「ご、ごめん。冗談ってのが冗談だよ。い、行こっ、デパート」
真美の目に恐怖した私はすぐに訂正した。
真美は怒ると怖いんだよな〜。あんまり怒らせないようにしよっと。
そう固く決意した私だった。

その後もちろんデパートに行きました。

fin

では次に裏話を一つ。今回は全く流れを書いてませんでした。おまけに初めて一度書いたものを全消しすることになった回です。
全消しになった理由はこの作品に似合わぬシリアスな展開になってしまったからです。まぁ、そうなってしまったのは前回の終わり方にわけがあるのですが(^^;)
この獅子裁はギャグ多めのシリアス少なめな作品なので、反対はこの作品ではない。やっぱりそれが頭にあるので書けなかったってのもあります。
またそれもあって冒頭のような展開にしたというのがあります。
まだまだ、序章は続きますよーwでは、次回の獅子裁は?

「あっ、お前は変態ザもしもし!」
香奈はついに変態の正体を知る。

「ふっ、見抜いたか小娘。そうだ俺こそがその人そのものだ!」
明かされる真実。

「香奈〜、今度という今度は許さないからね」
真美の本性が明らかに!?

獅子裁第8話「真実は…」
君は謎の一部を垣間見ることになる。


まぁ、嘘ですけど(笑)次の話全く考えてないわけですから。
ではまた次回。



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